俺は太りやすい。とにかく太りやすい。若い頃から皮下脂肪がつきやすい体質ではあったが、30を過ぎてからは加速度的に肉が落ちにくくなった。
俺は現在37歳、177cm/72kg。この決して細身とは言い難い中肉中背体型を維持するために、日々涙ぐましい食事制限をしている。成人男性の1日の標準摂取カロリーが2300kcalなのに対し、俺が意識的に摂取する1日の総カロリーは1800kcal程度。それでも油断をするとすぐに体重が増えてしまう。
そんな万年ダイエット敢行中の俺であるが、日々の「食べたい…食べたい…」という欲求が爆発することがある。それは夜中寝付いた後、半分眠っていてほとんど意識がない時だ。
そのような状況下で俺は半ば夢遊病患者のごとく、近所のコンビニや24hスーパーにチャリで食べ物を買って来てほとんど寝ながら暴食する。気付くのは翌朝、ベッド周辺に空容器が散乱しているのを見て初めてである。無論、ほとんど記憶にないが思い知る、「また食っちまった!やっちまったぁああ!」
さて先日、朝起きるとダシ汁の良い香り。台所に行くと散乱した調理器具と家で一番でかい鍋。その中には食べかけの、否ほとんど手つかずの寄せ鍋が完成しているではないか。「嘘だろ?昨夜寝ぼけて料理したの?全く記憶にねえし!」
鍋には白菜、ネギ、水菜、エビ、ホタテ、カキ、紅鮭、そして豚肉がなんと1kg。「馬鹿なの?昨夜の俺、本当に馬鹿なの?肉1kgとか、一体誰が食うんだよ!」
まあこれほどの量の食材を無駄には棄てられない。仕方なく俺は翌日1日食事を抜いて、夜に”まきしま鍋”を何とか完食。「うぅ…ギボヂ悪い…。豚肉1kgは久しぶりに効いた。しかし我がまきしま鍋はいまだ健在!特にダシ汁は天下一品だな」。
結果から言うと、前夜の俺の意識もうろう鍋は寝ぼけて作った割にはまさにGood taste!Good job!しかし願わくばもっと低予算で作ってほしかった。こんなことを繰り返していては、体重もさることながらそれ以上に財布が痛い。