過去の歴史の過ちを省みるに当たり、一国家の変遷史ではなくひとりの人間の心理変化に焦点を当てよ!! | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

最近、ネットで海外のドキュメンタリー番組を良く観るのだが、中でも傾倒しているのがアドルフ・ヒトラーに関する記録だ。ヒトラーはナチスを率いてドイツを独裁し、周辺国に侵攻して第二次世界大戦を引き起こし、そして実に200万人ものユダヤ人を虐殺した。そこまでが学校の教科書で習ったことだ。

しかし、どうしたことか。どのドキュメンタリーを観ても、それ以上のことが全く見えてこない。ヒトラーについて語られるのは、1933年のドイツ首相就任時から1945年のドイツ敗戦、そして自殺に至るまでのわずか12年間だ。その生い立ちから生涯にかけて焦点を当てた番組は皆無である。そしてそこに映るのは、ステレオタイプの独裁者ヒトラーである。それはまるで”人間としての実体がないモンスター”であり、それではなぜ人類がかの狂気に陶酔していったのかが全く分からないのだ。

国際社会の最小構成単位は国家ではない、人間である。戦争を引き起こすのも虐殺を為すのも人間だ。ならば過去の歴史の過ちを省みるに当たっても、一国家の変遷史ではなくひとりの人間の心理変化について考える方が、それを未来永劫繰り返さない為にもより有意義だと思うのだが。