仰げば尊し わが師の恩
教えの庭にも はや幾年
思えばいととし この年月
今こそ別れめ いざさらば
昔も今も変わらぬ卒業式の定番ソング、『仰げば尊し』。しかし俺は、その歌詞の恩着せがましさが大嫌いだ。
「振り返り見れば何と尊いことか、先生から授かった恩」
冗談じゃない。遅刻・サボり常連と何かと問題児であった俺にとって、学校に恩師と呼べる教師など一人もいなかった。小中高大全てにおいてだ。
さらに言うなら、俺は勉強すら学校で教わったことはない。全て予備校及び自宅学習だ。
そして何より気に食わないのが、歌詞の意味すら分からぬ小学生に斉唱を強要していることである。子供の無垢さにつけ込んで、一体何を歌わせてくれてんだ。
一時期、学校の卒業式における『君が代』斉唱問題が社会的議論を呼んだが、俺に言わせるなら『仰げば尊し』の方が遥かに押しつけがましい。
例えば、想像してみてほしい。
職場の朝のミーティング。従業員全員で斉唱、「仰げば尊し上司の恩」。歌ってられるか、一体どこの宗教の洗脳教育だ。