果たして火星で芋は育つのだろうか!? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

先日友人たちとスーパー銭湯へ行ったのだが、友人の一人がこんな話をしていた。

「こないだテレビで映画『オデッセイ』がやってたから観たんだけど、火星に取り残されたヤツが火星を耕して芋を作ってて、それ見て大爆笑した」。

『オデッセイ』―――――俺は観たことがないのだが、ウィキペディアによると、火星に有人探査に来ていたクルーの一人である主人公が、不慮の事故で火星に取り残され、地球から救助が来るまで自給自足をしながら生き延びるという、いかにもアメリカ人が考えそうなハリウッド大作映画である。

そしてふと思った、「果たして火星で芋は育つのだろうか」。



そもそも火星の平均気温は-53℃だ。植物が育つ訳がない。よってここでは、ヒーターの付いたビニールハウスのようなもので温度を適度に保ち、尚且つ十分な量の水が確保出来たものと仮定して論を進める。

まず火星の重力は地球の38%程度だ。よって茎はするすると地球よりも高く育つだろう。問題は光合成である。

周知の通り植物は光合成により、二酸化炭素と水からブドウ糖と酸素を生成し、ブドウ糖を養分として体内に蓄え成長する。反応式は以下の通りだ。

  6CO2 + 12H2O → C6H12C6 + 6O2 + 6H2O

火星の大気圧は地球のわずか0.03%しかないが、大気の95%が二酸化炭素である為、二酸化炭素含有量は十分であろう。

しかし光合成の反応速度は太陽光に依拠する。そして火星における太陽光度は地球の43%、反応効率は最悪だ。

従って俺が思うに火星で芋を作った場合、茎だけがひょろひょろと長く、小さくて栄養分も極めて乏しい芋が出来上がるだろう。



余談になるが、俺が「火星を耕して芋を作る」と聞いた時、真っ先に脳裏に浮かんだのは藤子・F・不二雄の『21エモン』に登場する芋掘りロボット・ゴンスケである。

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