まだ若き大学時代、俺は常に不思議に思っていた。「国内外を問わず、なぜ俳優はオッサン期に差し掛かると、皆ムキムキのゴリマッチョになるのだろうか」。シルベスター・スタローン、ブルース・ウィリス、江口洋介、坂口憲二等々、それこそ挙げたらキリがない。
ちなみに当時の俺は、身長は今と変わらず177cm/63kgと比較的スリム体型であった。「海外の俳優ならいざ知らず、日本人俳優は絶対に細身の方がかっこいいのに」。
しかしそれから時は経つこと10余年、俺の体重は学生時代より9kg増えて177cm/72kg。俺は身を以て知った、「30代も半ばを過ぎると、体の脂肪を削ぎ落とすのは実に難儀、だったら脂肪を筋肉に変える方がよほど楽なんだな」。
よって不本意ながら、誠に不本意ながら俺は減量を諦め、家で筋トレを始めた。とりあえず腹筋300回、背筋300回。ちなみに俺の体型177cm/72kgは、キングカズこと三浦知良選手と全く同じである。いつかは俺も、あんな筋肉質バディになれるだろうか。まあ無理か。