俺は「顔近すぎ女子」が苦手だ。イラッとさえする。顔近すぎ女子とは話す時、ほぼ初対面であっても異様に顔を近づけて来る女子のことだ。そして傾向として顔近すぎ女子は美人さんが多い。
本来、きれいな女子に顔を近づけてもらえることは、男として至極光栄であろう。しかし俺はそもそもパーソナルスペースが人より遠い。男ならだいたい1m、女子なら1m50cmくらいだ。それを割って来られると、たとえどんな美人さんでも「近い!近い!顔がうるさい!!」となってしまう。
また、ヴィジュアル系女子にうっすら垣間見える、「私なら顔を近づけても絶対に嫌がられないよね!」という自信に、ついイラッイラッとしてしまうのだ。「ほう、どうやらこれまで一度も男に顔を拒まれたことがないようだな…だったら俺がその第一号になってやる!!」
さらにこれは美人さんほど油断していることだが、人間は何も視覚だけで外界を認識している訳ではない。どんなに顔がきれいでも、それが30cm、20cmと接近してくるとどうなるか。モワーっとお口のスメルがスパイシーだったりするのだ。「お前は化粧はおざなりでも十分きれいだ!だからもっと歯を磨け!!」
しかし美人さんの口臭を嗅ぐと、変態的な意味ではなくどこか安堵する。「どんな美人やイケメンでも、あるいはそうではない人でも、口臭だけは人類皆平等なんだな。だから世界は美しい!!」