かつてプロレス界には力道山がいたように、大相撲には大鵬が、そしてプロ野球には王・長嶋がいたように。あるスポーツ種目が人気を博し、コンテンツとして成功を収めるには、”スーパースター”の存在が不可欠である。スーパースターの活躍が見たいからこそ、皆テレビにかじりつくのである。
さて、2018年W杯ロシア大会開催までいよいよ秒読み段階だ。しかし俺などは思ってしまう、「今年のW杯は今ひとつ期待に欠ける」。それはなぜだろうか。別に日本が弱いからではない。ズバリ、日本代表を牽引するスーパースターが不在だからである。
Jリーグ発足以降、W杯において日本代表には必ずチームを引っ張る絶対的エースが存在した。
94年W杯(予選敗退) 三浦知良
98年W杯 中田英寿
02年W杯 中田英寿
06年W杯 中村俊輔
10年W杯 本田圭佑
14年W杯 本田圭佑
しかし今の日本代表はどうであろか、まさにスーパースター不在だ。本田、香川、岡崎は滑り込み選出ながら控え組が濃厚。ならば主力選手に目を向けてみると、名前を知ってる選手がほとんどいない。これでは一体誰の活躍に期待し応援すれば良いのかサッパリ分からない。そりゃあ、観戦人口が減少するのも至極当然である。
さて2011年、女子サッカー日本代表がW杯優勝。この前代未聞の大快挙に日本中が湧きに沸き、女子サッカーは社会的ムーブメントになるかと思いきや、ブームはすぐに雲散。それは一体なぜであろうか。
実に簡単な話。W杯制覇の立役者、大エース・澤穂希が代表落選そして引退したからだ。この例を見ても、スポーツというコンテンツには象徴的なスーパースターが絶対に必要不可欠であることがお分かりいただけるだろう。