タイムマシン発明の最大の障壁!?タイムパラドックスの問題について!! | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

タイムマシンは発明可能であろうか。

この問いについて考える時、避けては通れないのが「タイムパラドックス」の問題だ。タイムパラドックスとは、「過去への時間旅行の結果生じる、論理的不整合」である。

そしてタイムパラドックスは大きく2つに分けられる。(1)奇妙ではあるが矛盾は生じない事態と、(2)明らかな矛盾が生じる事態である。以下、その代表例を挙げていく。



(1)矛盾が生じないタイムパラドックス

「ある科学者がタイムマシンの設計図に基づいてタイムマシンを完成させ、そのタイムマシンで過去に遡って設計図をタイムマシン製作前の自分に渡し、マシン作製を促す」

この場合、タイムマシンの設計図を一から描いた発明者が存在しないという実に奇妙な事態が発生するが、因果的な矛盾は生じない。

(2)矛盾が生じるタイムパラドックス

「ある男がタイムマシンで自分が生まれる前の過去に遡り、自分の父親を殺す」

父親を殺せば男は生まれてこない。しかし男が生まれないのであれば、父親は一体誰に殺されたのか。これは明らかな矛盾である。



さて以前、俺が短編小説を書いていた頃、その題材としてタイムパラドックスを一つ考案した。それが以下の通りである。

「ある男がタイムマシンで自分が生まれる前に遡り、そこで若き日の自分の母親と出会う。そして恋に落ちて性の契りを交わし、その結果生まれてきたのが自分であった」

さてこれは(1)矛盾が生じないタイムパラドックスであろうか、それとも(2)矛盾が生じるタイムパラドックスであろうか。

一見すると(1)、なんら不整合はないように思えるが、正解は(2)、実は重大な矛盾が生じている。

男の遺伝情報をX、母親の遺伝情報をYとすると、
   (X+Y)/2=X
   X=Y

男は遺伝的に母親と完全に一致しなければならない。これはクローン、あるいは一卵性双生児と全く同じ状況だ。

しかしだとするならば、男と母親の性別が異なるということはあり得ないのだ。それはもちろん性別を変え、女が過去に遡り自分の父親と結ばれる場合も同じである。これは列記とした論理的不整合である。



近年、タイムパラドックスの問題の解決策として「並行宇宙(パラレルワールド)」というアイディアが科学者たちの間で真剣に議論されるようになった。

並行宇宙論を用いれば、タイムパラドックス問題のうちの一部は解決できるだろう。しかし残念ながらそれは全てではない。

以上より、俺はタイムマシンの発明は不可能だと考える。