国民的人気漫画・アニメ『ドラえもん』。連載開始50年、テレビ放送40年、日本人で同作を観たことがないという人はいないのではないか。『ドラえもん』に触れた多くの人たちがドラえもんを愛し、そしてある人たちはのび太を批判する。「のび太は怠惰だ」、「のび太は他力本願だ」、「のび太は自ら何も努力しようとしない」と。
『ドラえもん』の基本ストーリーは次の通りだ。勉強もだめ、運動もだめ、ぐうたらな小学4年生・のび太。学校のテストは毎回0点、いじめっ子のジャイアン、スネ夫にいつも追いかけられ、憧れの女の子・しずかには振り向いてもらえず、家ではママから常に説教。そこで未来から来たネコ型ロボット・ドラえもんに飛びつき、ひみつ道具を借りて事態の解決を図るも、ついつい調子に乗ってこれを乱用、最後は大きなしっぺ返しを食らってしまう。
◆後世に残したい国民的アニメ
(フジ『1億3000万人が選ぶ
究極アニメランキング』より)
1位 サザエさん
2位 ドラえもん
3位 となりのトトロ
4位 まんが日本昔ばなし
5位 ドラゴンボール
6位 ONE PIECE
7位 名探偵コナン
8位 風の谷のナウシカ
9位 鉄腕アトム
10位 アルプスの少女ハイジ
しかしながら思うのだ。「自分を高めること」は確かに重要なことだ。しかしそれ以上に大切なのは「自分を受け入れること」ではないだろうか。のび太はそれを知っている。自分の個性、能力、そしてひみつ道具を用いても決して大きくは変わらない自分の日常。それに悲観するでも絶望するでもなく、ありのままの自分を受け止めて日々を楽しみ過ごし、そしてドラえもんの助けを借りつつも失敗の中から学びを得て、遅々たれども彼なりに一歩一歩成長しているのだ。
世の中全ての日々闘い続ける人たちへ。あなたが精一杯努力していることは、他ならぬあなた自身が一番良く知っているはずだ。だから俺はあえて声を大にして言いたい、「我々はもう少しだけ、のび太のようであっても良いのではないか」。さあ仕事の手を休めて、缶コーヒーでひと息つこう。