日本料理といえば海の幸!山の幸!そして畑の幸、野の幸!? | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

今日はふと、「海の幸、山の幸」という言葉について思いをを馳せてみたい。例えば料亭、例えば旅館。豪華絢爛、珍味佳肴な料理を指して「海の幸、山の幸」。何ともアバウトなカテゴライズであるが、日本のありとあらゆる食材は”チーム海”と”チーム山”に二分されるらしい。


しかしである。”チーム海”についてはまだ納得出来る。日本近海で採れる魚介類全般、美味にして種類も実に豊富だ。けれど”チーム山”に関してはどうだろうか。厳密に山で採れる食材としいえばキノコ、山菜、川魚、そして百歩譲ってイノシシ、タヌキ、クマくらいである。”チーム海”とのバリエーション差は歴然だ。


日本の食材全てを網羅するには、”チーム海”、”チーム山”だけでは全く足りない。よって新たなカテゴリーとして俺は「畑の幸」、”チーム畑”を提唱する。拡大解釈で”チーム畑”には野菜類の他に畜産の牛、豚、鶏、そして何より日本人の主食・米も含まれるとする。「海の幸、山の幸、畑の幸」、これでようやく日本食材オールスターズの完成だ。


ならばなぜ一般的な高級料理の売り文句は「海の幸、山の幸」、”チーム畑”は除外されがちなのか。今でこそ日本は無神論者の国と認識されているが、かつて日本は八百万の神を奉っていた。”チーム畑”は所詮人の手が為すもの、それに対し”チーム海”、”チーム山”は天からの恵、その点でご馳走の有難味が全く違うのではないか。


「海の幸、山の幸、そして畑の幸」、日本食材分類問題はこれにて解決…と言いたいところではあるが、我々は第4のカテゴリーを忘れている。「野の幸」即ち”チーム野”である。例えばアメリカやカナダ、オーストラリアなどの国土大国の狩人が野牛や野生のシカを狩猟しようとした時、そこは山も海もない地平線の彼方まで広がる雄大な草原である。


なぜ日本には”チーム野”たる食材がないのか。思うにそれは日本の地理にある。日本は周囲を海に囲まれた小さな島国であり、さらに国土面積の7割が山と森林、残り3割の平地は都市や人家で埋め尽くされている。なるほど、それでは野牛やシカが闊歩する広大な平原などあるはずがない。


例えば諸外国の人に「日本はどんな国ですか」と問われたならば、「日本は四方を海に囲まれ、山々や森林に満ち溢れるとても自然豊か国です」と胸を張って答えても良いのかも知れない。