日本を代表する2大国民的アニメと言えば、言わずもがな『サザエさん』、『ドラえもん』である。そして俺は物心ついてより、30年来の”ドラえもん党”だ。しかしながら思う、『ドラえもん』はいまだ『サザエさん』ほどの絶対的な地位を確立していない。『サザエさん』が何物とも比べられない日本アニメ界の頂点に君臨しているのに対し、『ドラえもん』はこれまで各種アンケートやランキング、様々な形で他作品と比較されて来た。それは例えば『ドラゴンボール』であり、『ONE PIECE』や『名探偵コナン』、そして『ジブリ作品』などである。
国民的アニメ『ドラえもん』、その人気に取って代わらんとこれまで最も追い迫った作品と言えば、何と言っても『ドラゴンボール』、そして『ONE PIECE』である。90年代の『ドラゴンボール』、00年代の『ONE PIECE』、ともに週刊少年ジャンプの新旧大エースであり、『ドラえもん』を遥かに凌ぐセンセーション、まさに社会現象を巻き起こした作品だ。しかし『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』は普遍性、不朽性という点で『ドラえもん』には及ばなかった。アニメシリーズ最新作『ドラゴンボール超』は今春を以て放送打ち切り、『ONE PIECE』もまたかつての勢いはなく、国民は「感動の最終回」を待ち望んでいる状況だ。
◆後世に残したい国民的アニメTOP10
(フジ『アニメアカデミー
1億3000万人が選ぶ不朽の名作』より)
1位 サザエさん (フジ 1969-)
2位 ドラえもん (日テレ 1973、テレ朝 1979-)
3位 となりのトトロ (1988)
4位 まんが日本昔ばなし (TBS 1975-1994)
5位 ドラゴンボール (フジ 1986-1997、2009-)
6位 ONE PIECE (フジ 1999-)
7位 名探偵コナン (日テレ 1996-)
8位 風の谷のナウシカ (1984)
9位 鉄腕アトム (フジ 1963-1966)
10位 アルプスの少女ハイジ (フジ 1974)
そして俺が今現在”ドラえもん党”として、『ドラえもん』の地位を脅かされまいかと一番警戒している作品が『名探偵コナン』である。『名探偵コナン』はアニメ放送開始時、例えば『ONE PIECE』のような華々しいスタートダッシュこそなかったものの、今や放送20年、じわじわとファンの心を掴みその数を着実に増やし、テレビ視聴率でも劇場版興行収入でも『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』を凌駕する巨大コンテンツに成長。さらに俺が『名探偵コナン』を恐れる理由は2つ、(1)前後編完結作品であるため最終回を予定していない、(2)支持年齢層が極めて広いため子供の頃に観たファンが大人になっても離れていかない。同作があと20年、いやあと10年テレビ放送が続いたなら、新たな国民的アニメとして『ドラえもん』と並び称されるかも知れないのだ。
例えばボクシングで言うならば、『サザエさん』が世界王者、そして『ドラえもん』は世界ランク1位である。『サザエさん』が「一億総視聴アニメ」として悠然とそびえ立っているのに対し、『ドラえもん』はランク2位、ランク3位とそうそうたる名作・傑作アニメと比量されこれに打ち勝ち、そして日本アニメ界で唯一『サザエさん』と同じリングに立ち続け互角に渡り合う。それは決して生易しいことではないだろう。けれど俺は信じている。『ドラえもん』が現代、次世代、さらに次世代の子供たちへ心から愛し継がれてゆくことを。