マイケル・ジャクソンのレコード総売上7億5000万枚という、あまりにぶっ飛んだ捏造!? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

2009年、KING OF POP マイケル・ジャクソン逝去。世界中が悲しみに暮れたのはいまだ記憶に鮮明であろう。それは大のマイケル・ジャクソンファンである俺もまた例外ではない。さてこの時、到底信じがたい数字が世界中に流布した。マイケル・ジャクソンのレコード総売上が、ビートルズ、エルヴィス・プレスリーの10億枚に告ぐ世界第3位、7億5000万枚であるというのだ。


   ◆アーティストの推定総売上枚数

    (5億枚以上売上げたアーティスト)
   1位 ビートルズ  10億枚
   1位 エルヴィス・プレスリー  10億枚
   3位 マイケル・ジャクソン  7億5000万枚
   4位 ビング・クロスビー  5億枚

    (3億枚以上売上げたアーティスト)
   5位 アバ  3億7000万枚
   6位 マドンナ  3億枚
   6位 クイーン  3億枚
   6位 レッド・ツェッペリン  3億枚

    (2億枚以上売上げたアーティスト)
   9位 エルトン・ジョン  2億5000万枚
   9位 ピンク・フロイド  2億5000万枚
   11位 マライア・キャリー  2億4000万枚
   12位 ビー・ジーズ  2億3000万枚
   12位 セリーヌ・ディオン  2億3000万枚
   14位 ローリング・ストーンズ  2億枚
   14位 ホイットニー・ヒューストン  2億枚
   14位 AC/DC  2億枚


しかしこの総売上枚数はすぐに取り消され、今では完全になかったものとされている。理由は簡単、それがあまりにもぶっ飛んだ捏造だったからである。実際に俺が手計算してみたところ、全世界で1億枚以上売上げたアルバム『スリラー』を含めても、マイケル・ジャクソンのレコード総売上はせいぜい3億枚程度にしかならない。


ならばなぜ、このようなデマが世界中に出回ったのだろうか。世界には例えば日本のレコード協会のようなレコード売上を統括し集計する国際機関は存在しない。全てのアーティストの売上枚数は、あくまでも推定値でしかないのだ。「マイケル・ジャクソンはビートルズやエルヴィス・プレスリーにも匹敵する希代のスーパースターだった」。そんな人々の思いが、7億5000万枚という途方もない数字を生み出し、一人歩きさせてしまったのだろう。


今やエルヴィス・プレスリーは亡く、ビートルズもとうの昔に解散、そしてマイケル・ジャクソンまでもが死去。残る最後のビッグスターといえば、QUEEN OF POP マドンナだろう。非常に不謹慎ではあるがもしも彼女が逝去したら、今度は「マドンナのレコード総売上5億枚」なる新たなガセが出回るのではないか。