例えば、小さな子供が無邪気に問うたとする。「なぜ友達は大切にしなきゃいけないの」、「なぜ動物を虐めてはいけないの」、「なぜ森の木々を切ってはいけないの」、「なぜ戦争はいけないことなの」。一体どれほどの大人がこれに答え、正しく教え導くことが出来るだろうか。
漫画・アニメ『ドラえもん』といえば、言わずと知れた国民的人気作である。そして俺もまた大のドラえもんファンだ。『ドラえもん』は一見すると、純然たる児童漫画であるかのように思える。しかしそれは、飴玉や綿菓子のようにただ甘くて口当たりが良いだけの子供だましの作品ではない。時に『ドラえもん』は、良薬の苦みも我々に教えてくれる。
◆後世に残したい国民的アニメTOP10
(フジ『アニメアカデミー
1億3000万人が選ぶ不朽の名作』より)
1位 サザエさん (フジ 1969-)
2位 ドラえもん (日テレ 1973、テレ朝 1979-)
3位 となりのトトロ (1988)
4位 まんが日本昔ばなし (TBS 1975-1994)
5位 ドラゴンボール (フジ 1986-1997、2009-)
6位 ONE PIECE (フジ 1999-)
7位 名探偵コナン (日テレ 1996-)
8位 風の谷のナウシカ (1984)
9位 鉄腕アトム (フジ 1963-1966)
10位 アルプスの少女ハイジ (フジ 1974)
「なぜ友達は大切にしなきゃいけないの」、「なぜ動物を虐めてはいけないの」、「なぜ森の木々を切ってはいけないの」、「なぜ戦争はいけないことなの」。これらの問いの答えは、全て『ドラえもん』の中に詰まっている。友情、動物愛護、環境保全、さらには戦争の恐ろしさ。『ドラえもん』には作者藤子・F・不二雄氏の博学博識や知的探求心、そしてそれ以上に氏の人間愛や全人類に向けたメッセージが凝縮されている。
学校の教科書などではなく、俺は大切なことは全て『ドラえもん』から学んだ。そして同作はこれからも継がれていく。倫理、道徳、良識、思想。我々が『ドラえもん』から得たものを次世代、さらに次世代の子供たちと共有出来たなら、こんなに素晴らしいことがあろうか。