俺まきしまは文系学部卒ながら、大のサイエンス好きである。よって家ではしばしばYouTubeでサイエンス関連の動画を観ている。中でも最近のマイブームは「数万年~数十万年後の人類の進化した姿」だ。ところが往々にして、これがツッコミ所満載なのだ。
多くの人類の未来予想図に共通する事項は以下の3つ。(1)栄養状態の改善により、人類の身長は高くなる。(2)知能が発達し、脳がさらに肥大化する。(3)人類はより視覚情報に頼ることになり、目が巨大化する。いやいや、待て待て待て。確かに(1)ならばさもありなん。しかし(2)、(3)に関しては、絶対にあり得ない。
まず(2)について。実は人類の知能は1万年~2000年をピークに低下し続けている。一体その時何が起こったのか。ズバリ、農耕の発明である。食糧が安定的に得られるようになり、人類は優秀個体のみならず、劣等個体も生存出来るようになった。そしてその後も革新的な発明・発展が起こるたびに人類はより生きやすい環境にどっぷり浸かり、自然淘汰を免れどんどん知能を低下させている。
次に(3)について。現代より遥かに進んだ視覚情報化社会において、人類は悠長にも目が進化し発達するのを待っているだろうか。否、現代においても眼鏡があるように、人類は何らかのテクノロジーによって身体機能の補填・強化をするだろう。ならば生身の人間が生物学的な意味で姿かたちを変貌させる必要などない。
もっとも全てが所詮憶測、数十万年後のことは数十万年後になってみないと分からない。しかしYouTubeのサイエンス記事は8割方があまりにも雑過ぎる。プロアマ問わず識者を自負するならば、俺ごときド素人の一人くらい黙らせて欲しいものだ。