コンピューターの進歩は日進月歩。例えばチェスや将棋、囲碁のトッププロも、今やスーパーコンピューターに勝てなくなってしまった。
ちなみにチェスの展開の全パターンは10^120通り(10の120乗通り)、将棋は10^220通り、囲碁は10^360通りである。スパコンはこれら膨大な数の予測演算を瞬時に行っているのだろうか。ならばIQ150だろうと200だろうと、生身の人間が敵う訳がない。
では果たしてコンピューターが、我々に取って代わりブログを書くことは可能なのだろうか。ここでは「日本語で800字以内の文章を書く」という設定で、開発者が用意するテンプレートはないものとして検証をしていきたい。
言いうまでもなく文章とは、一文字一文字の組み合せである。ではその「一文字」は果たして何通りあるのだろうか。濁音、半濁音、小文字も合わせてひらがな79通り、同様にカタカナ79通り、常用漢字2136通り、数字が0から9までの10通り、そして句読点、罫線、余白、かっこ、かぎかっこの8通り、これら全て合わせて2312通りである。
そしてコンピューターは、この2312通りの選択を800回行わなくてはならない。こうして作成された800字の文字列の全パターンは、
2312^800≒10^2720 (通り)
10^2720通り。仮に1つの文字列800字をA4用紙1枚に綴っていくと、A4用紙の総数は当然10^2720枚、そして総重量は恐ろしいことになる。A4用紙1枚はおよそ4g=4.0×10^(-3)kg。これに10^2720枚を掛けると、
4.0×10^(-3)×10^2720=4.0×10^2717 (kg)
これは地球(6.0×10^24kg)がA4用紙の束に押し潰されるどころの騒ぎではない。(観測可能な)宇宙全体の総質量(3.0×10^52kg)より2600ケタ倍も大きくなってしまうのだ。これほど巨大なパターン数をスパコンに計算させた場合、果たして何万年かかるか、それとも何億年かかるか。
100万歩譲ってコンピューターが10^2720通りの演算が可能であったとして、次に待っているのはコンピューターが最も苦手とする作業、文章の判別である。
10^2720通りのランダムな文字列の中から、文章としての形を成しているもの、さらに文章として秀逸なものを判定し選出しなければならない。これは数ではなく質の評価であり、しかもとんでもない膨大量。俺はスパコンをしても不可能だと考える。
結論。少なくとも現時点においてコンピューターに文章作成は出来ず、ブログは人間にしか書けない。以上。