現代日本の漫画文化史は戦後間もなく、”漫画の神様”手塚治虫の登場に発祥したと言って良い。氏はそれまで主流であった「赤本」や「絵物語」といった古典漫画に初めて高度な物語性を取り入れ、「ストーリー漫画」として確立させた。そして手塚作品に強く感化された藤子・F・不二雄などの新世代の漫画家が続々と台頭したのだ。
さて手塚治虫と藤子・F・不二雄を対比するに、【手塚治虫】は「卓越した表現者」である。氏は漫画という表現手法を最大限に活用し、登場人物をコマ割り狭しとコミカルかつ躍動的に描き出して、物語に軽快なリズムとなテンポをもたらした。手塚治虫の作品を読み進めるに、それはまるでアニメのショートフィルムを観ているかのようである。
一方、【藤子・F・不二雄】は「卓越した発想家」だ。博学で知られる藤子F氏の造詣は恐竜、宇宙、タイムトラベル、戦争の過ち、環境破壊など実に多岐に渡る。氏はこれら理知的アイディアを駆使して数々の作品を輩出、その集大成が大人気作『ドラえもん』である。『ドラえもん』について手塚治虫は、「彼(藤子F氏)は本当の天才だ」と絶賛している。
◆日本を代表する漫画家といえば?
(「gooランキング」より)
1位 手塚治虫 (代表作/鉄腕アトム) 10751票
2位 藤子・F・不二雄 (ドラえもん) 4715票
3位 鳥山明 (ドラゴンボール) 3704票
4位 尾田栄一郎 (ONE PIECE) 2212票
5位 藤子不二雄A (笑ゥせぇるすまん) 833票
6位 井上雄彦 (SLAM DUNK) 610票
7位 松本零士 (銀河鉄道999) 517票
8位 あだち充 (タッチ) 506票
9位 青山剛昌 (名探偵コナン) 457票
10位 赤塚不二夫 (天才バカボン) 443票 ※以下略
今日、日本の漫画・アニメ文化はまさに隆盛期を迎えている。『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『名探偵コナン』、『ジブリ作品』などの人気作は国民広くに支持され、また深夜アニメは多様化したニーズに応えている。しかし享受する我々は忘れてはならない。その礎を手塚治虫、藤子・F・不二雄など偉大な巨人たちが築いたことを。