以前にも述べたが、俺は漫画についてはさほど明るくない。しかも母親の影響を強く受けたからであろうか、30代という年齢を考慮しても、俺がこれまでに読んできた漫画家はいささか世代が古い。それは例えば手塚治虫であり、藤子・F・不二雄である。
俺が手塚治虫作品に目覚めたのは、確か小学校高学年くらいであった。きっかけは母の本棚から手に取り開いた『火の鳥』、『ブラック・ジャック』である。少年時代の俺はたちまちのうちに手塚作品に魅了され、自らも短編に長編に買い集めて夢中になって読んだ。
◆日本を代表する漫画家といえば?
(「gooランキング」より)
1位 手塚治虫 (代表作/鉄腕アトム) 10751票
2位 藤子・F・不二雄 (ドラえもん) 4715票
3位 鳥山明 (ドラゴンボール) 3704票
4位 尾田栄一郎 (ONE PIECE) 2212票
5位 藤子不二雄A (笑ゥせぇるすまん) 833票
6位 井上雄彦 (SLAM DUNK) 610票
7位 松本零士 (銀河鉄道999) 517票
8位 あだち充 (タッチ) 506票
9位 青山剛昌 (名探偵コナン) 457票
10位 赤塚不二夫 (天才バカボン) 443票 ※以下略
一方俺は、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』を探して見つけ出す必要はなかった。俺の幼少時代、当たり前のようにテレビからはアニメ『ドラえもん』が流れ、学童保育所の本棚には漫画『ドラえもん』がズラリ。『ドラえもん』は「面白いか面白くないか」などと問うまでもなく周囲身近に満ち溢れ、俺は呼吸をするように自然に享受した。
俺の中における“漫画作品三種の神器”を挙げるなら、『ドラえもん』、『火の鳥』、『ブラック・ジャック』。そして中でも人生の早初期に触れた『ドラえもん』は、特に大きく俺を形成した作品なのだ。