1968年以降、日本が40年以上守り続けてきた国内総生産(GDP)世界2位の座を、中国に明け渡したのは2010年のことである。
当時のことは今も良く覚えている。日本人として全身の毛穴から悔しさが滲み出ると共に、心の底から日本の将来を憂いたものだ。
その後も日本は経済停滞に喘ぎ、しかしそれでも現在日本のGDPはアメリカ、中国に次ぐ世界第3位。欧州の全ての国に対し、日本は依然リードを保っている。”元・経済大国”の面目躍如といったところか。
◆各国の国内総生産(2015年)
1位 アメリカ 17兆9470億ドル
2位 中国 10兆9828億ドル
3位 日本 4兆1232億ドル
4位 ドイツ 3兆3576億ドル
5位 イギリス 2兆8493億ドル
6位 フランス 2兆4215億ドル
7位 インド 2兆0907億ドル
8位 イタリア 1兆8158億ドル
9位 ブラジル 1兆7725億ドル
10位 カナダ 1兆5523億ドル
11位 韓国 1兆3768億ドル
12位 ロシア 1兆3247億ドル
13位 オーストラリア 1兆2238億ドル
14位 スペイン 1兆2238億ドル
15位 メキシコ 1兆1443億ドル
16位 インドネシア 8589億ドル
17位 オランダ 7384億ドル
18位 トルコ 7336億ドル
19位 スイス 6646億ドル
20位 サウジアラビア 6552億ドル
このまま21世紀の世界経済は、米中に日本を加えた”2.5大国”を中心に回り続けるのだろうか。否、そんな訳がない。今に日本を追い抜き米中に喰らいつかんとする先進国・新興国が、日本の背後から虎視眈々と好機を狙っている。
そこで今日は、あくまで俺の個人的な情報収集に基き、2050年の各国のGDPを予測していきたい。
2050年、世界には3つの”経済超大国”が出現している。中国、アメリカ、そして残念ながら日本ではなくインドだ。中国のGDPはおよそ60兆ドル、アメリカ、インドがそれぞれ40兆ドル。この3国はとにかく他を圧倒しぶっちぎっている。
そして中米印に大きく遅れをとりながらも、4位、5位に飛び込むのがインドネシアとブラジルである。そのGDPはそれぞれおよそ10兆ドルだ。中国、アメリカ、インドに加えてインドネシア、ブラジル。この”世界5強”は確定的であり、他国に太刀打ちする術はない。
となると、俄然議論の的となってくるのが「2050年、GDP世界6位はどこか」。しかしこの予測は一筋縄ではいかない。何せ候補国が多すぎる。
例えば先進国では、
日本、ロシア、イギリス、ドイツ、フランスなど
さらに新興国に目をやると、
メキシコ、サウジアラビア、トルコ、パキスタン、南アフリカ、
ナイジェリア、エジプト、タイ、マレーシア、フィリピンなど
ざっと挙げただけでも10数ヶ国を数える。これらの国々が中米印に次ぐ”準・経済大国”を目指して、火炎こそ使わぬ経済戦争を繰り広げるのだ。想像するだけでも、まさに壮絶の一言に尽きるだろう。
そしてこれら候補国の中でも”GDP世界6位”に極めて近い有力国とされるのが、日本、ロシア、そして意外なことにメキシコである。日本人として、ここは何としても日本に”世界6位の経済大国”の地位を勝ち得て欲しいところだ。
もっとも中米印の経済超大国から見たら、日本が世界6位になったとしても、所詮弱小国のどんぐりの背比べに過ぎないであろうが。