もう７、８年ほど前、ちょうど日本が中国にGDPで抜かれた頃、俺は日本の地理的位置を嘆いていた。「日本は不運だ。東にアメリカ、西に中国、なんでよりにもよって世界２大理不尽大国に挟まれているんだ。双方から圧迫されて身動きも取れやしない」。
しかしながら思う。今の韓国の状況は、それとは比較にならないほど深刻なのではないか。西に中国、東に日本、北にロシア、太平洋を越えてアメリカ。世界１位、２位、３位の経済大国米中日と世界トップクラスの軍事強国ロシアが韓国に隣接している。
そして米日は”Korea Passing（韓国無視）”、韓国を除いた２国間での同盟を強め、中国はTHAAD配備を受けて韓国に経済制裁、そしてロシアは南北朝鮮戦争の勃発を今か今かと待ち構える。アメリカ、中国、ロシア、日本、そのまま世界４強といってもいい強大国に四方を囲まれ、その４ヶ国全てが”反韓”を唱えている。そしてその間もお構いなしに北朝鮮が軍事威嚇を仕掛けてくるのだ。これぞまさしく「韓国の地政学的悲劇」である。
いつの世も、大国の動向に振り回されるのは常に周辺弱小国である。そしてそれは他人事ならず、経済的影響力が弱体化する日本にいつか番が回って来ないとも限らないのだ。そう思うと、俺は涙で明日が見えない。