やらかすとは思っていたが、案の定やっちまったな。去る1日、米大統領トランプ氏が温暖化ガスの削減目標を定めたパリ協定からの離脱を表明、これに世界が反発している。地球温暖化は環境問題である以上に国際政治上の問題であり、これによりトランプ氏は「アメリカ・ファースト」、米一国主義を世界に対し高らかに宣言したことになる。
アメリカが国際協調路線から外れ孤立化すれば、自ずと発言力を強めるのは中国だ。アメリカと中国、世界の覇権は果たしてどちらの手中に収まるのだろうか。思うに、その鍵を握るのはEU諸国である。我々日韓ASEAN諸国にとって米中のパワーバランスの変動が他人事ならぬ死活問題であるのに対し、EU諸国は第三者の立場から傍観し純粋に損得勘定で動くことが出来る。彼らはアメリカが世界の盟主国たり得ぬと判断すれば、ことごとく中国に傾倒していくであろう。
しかし我々日本にしてみれば、アメリカの横暴も中国の横暴もたまったもんじゃない。つくづく、日本の地理的状況が嘆かわしい。東にアメリカ、西に中国、北にロシア、加えて韓国、北朝鮮、なぜ我々の日本列島はそんな渦中も渦中のど真ん中に位置しているのだろうか。