俺は子供が嫌いだ。だが例外も在る。妹夫婦の子に当たる5歳の姪っ子、2歳の甥っ子、これが本当に可愛くて可愛くて仕方がない。そして俺は思いっきりその子らに懐かれている。たまに妹家族と会えば、姪っ子と甥っ子が漫画みたいに俺の左右の腕を引っ張り取り合いっこ、姪っ子に至っては「将来おじちゃんと結婚する」とまで言っている。
さて、俺には母の弟に当たる叔父がいる。叔父にはちょうど今の姪っ子、甥っ子の年、俺が幼児の頃から本当に良く可愛がってもらった。そして切に思い出すのが大学受験時代、俺は現役、1浪と入試全滅、まさに人生のどん底だった頃、しばしば気晴らしにドライブや食事に連れ出してくれたのが叔父である。叔父がもたらしてくれるささやかな息抜き、それに俺がどれほど救われたか、とても書き表せるものではない。
きっと俺は叔父が与えてくれたものを、今姪っ子や甥っ子に与えているのだろう。そのようにして親世代から子世代へと、愛情の糸は紡がれていく。願わくば姪っ子や甥っ子が大人になりかけがえのない存在ができた時、俺があげたものをその子たちに注いでほしい。