1958年に国内初のテレビアニメ『もぐらのアバンチュール』が放送されて以降、日本アニメ史60年。その間にテレビ放送されたアニメ作品は実に4000点以上に及ぶ。
そしてその大半が漫画原作アニメである。漫画家にとって、自身の漫画作品のテレビアニメ化はこの上ないステータスであろう。作品の支持と評価の証であり、また更なる人気アップの起爆剤としても大いに期待できるからである。
では古今漫画家の中で、最も多くの漫画作品をテレビアニメ化させたのは誰であろうか。結論から言うと、かの手塚治虫である。それも他を大きく引き離し断トツとなる22作だ。次いで石ノ森章太郎、永井豪が13作と続く。
しかしながら、俺は思うのだ。単純に作品数だけで比較するのはナンセンスではないか。例えば放送開始48年の『サザエさん』も1作品、ワンクールアニメも1作品、これは重大な「1票の格差」である。
よってここでは、下に示すポイント制をそれぞれ作品に当てはめ、その合計でより長く多くアニメ化作品を輩出した漫画家をランク付けていきたい。
1P テレビ放送期間1年未満
2P 1年以上3年未満
3P 3年以上10年未満
4P 10年以上30年未満
5P 30年以上
例えば手塚治虫作品で言うなら、4年間放送された『鉄腕アトム』は3ポイント、2年6ヶ月放送された『ジャングル大帝』は2ポイントとなる。そしてこれら各作品のポイントを漫画家ごとに総計したものが以下のランキングである。
1位 手塚治虫 (代表作/鉄腕アトム) 30P/アニメ化22作
2位 藤子・F・不二雄 (ドラえもん) 19P/8作
3位 石ノ森章太郎 (サイボーグ009) 17P/13作
4位 梶原一騎 (巨人の星) 16P/9作
5位 永井豪 (デビルマン) 14P/13作
5位 高橋留美子 (うる星やつら) 14P/6作
5位 藤子不二雄A (笑ゥせぇるすまん) 14P/5作
8位 川崎のぼる (いなかっぺ大将) 12P/6作
9位 CLAMP (カードキャプターさくら) 11P/8作
10位 松本零士 (銀河鉄道999) 10P/9作
10位 あだち充 (タッチ) 10P/6作
10位 横山光輝 (鉄人28号) 10P/5作
10位 鳥山明 (ドラゴンボール) 10P/5作
10位 青山剛昌 (名探偵コナン) 10P/4作
やはりというか、手塚治虫が圧倒的な作品数でトップに輝いた。2位以下は大混戦となったが、藤子・F・不二雄が8作品と手数は少ないものの『ドラえもん』など1発の重さで次点に着け、石ノ森章太郎、梶原一騎がこれに続く。
一方で、鳥山明以降の世代の新鋭作家が小勢にとどまったのが気にかかる。今後の日本の漫画界にも、手塚治虫や藤子・F・不二雄に比肩する若き巨匠にぜひ現れてほしいものである。