小学時代、俺は少年チームでサッカーをやっていた。それは中高の部活経験者から見たらド素人も同然なのだが、それでも男子高の体育レベルでならそこそこ活躍出来た。俺はドリブル突破を得意とし、ゴールを量産した。
そして高校の球技大会、俺はサッカーのクラス代表に選ばれた。しかしクラス内の体育からクラス対抗戦へとレベルが上がったところで、俺は弱点を露呈する。パスを出すのも受けるのも、致命的に下手だったのだ。俺はチームの足を思いっきり引っ張ってしまった。
サッカーにおいて、フロントコートでボールを持ったら攻撃の選択肢は3つ。パスを出すか、ドリブルを仕掛けるか、あるいはシュートを打つかだ。このうちドリブル、シュートならば俺くらいのほぼ素人でもある程度は出来るだろう。
しかし思うに、サッカー未経験者は絶対にパサーにはなれない。チーム内での連携したパス回し、それを可能とするのは経験だ。中高部活、高い戦術レベルでの試合経験。その何十何百という積み重ねがパサーには必要不可欠なのである。