俺が音楽に目覚めたのは中学生の頃だ。90年代半ば、当時音楽シーンにおいて猛威をふるっていたのはZARD、ドリカム、チャゲアス、ミスチル、あとはWANDSにTRFといったところか。そう、俺にはB'zが売れていたという記憶が全くないのだ。
15枚のミリオンシングルを輩出し、シングル・アルバム総売上は前人未踏の8000万枚。しかしB'zが音楽チャートの上位にいた印象はほとんどなし、それは一体なぜか。実に簡単な話、B'zはシングル発売2週目にはミリオン達成、そして瞬く間にチャートを駆け落ちていくからだ。
あっという間に売上げ消えていく、B'zはまさに“Million Selling Phantom”である。
◆シングル・アルバム総売上枚数
1位 B'z 8182万枚
2位 Mr.Children 5912万枚
3位 浜崎あゆみ 5056万枚
4位 サザンオールスターズ 4894万枚
5位 AKB48 4515万枚
6位 DREAMS COME TRUE 4356万枚
7位 松任谷由実 3948万枚
8位 GLAY 3853万枚
9位 ZARD 3746万枚
10位 宇多田ヒカル 3622万枚
11位 SMAP 3518万枚
12位 安室奈美恵 3239万枚
13位 CHAGE AND ASKA 3141万枚
14位 嵐 3048万枚
15位 松田聖子 2966万枚
16位 L'Arc-en-Ciel 2927万枚
17位 globe 2893万枚
18位 Kinki Kids 2606万枚
19位 中森明菜 2538万枚
20位 TUBE 2455万枚
さて、現代の“Million Selling Phantom”といえば間違いなくAKB48であろう。シングル総売上4000万枚、シングルミリオン28作はともに日本歴代1位。そしてシングル発売初日ミリオンというとんでもない所業を当たり前のようにやってのっける。
しかし売れていた印象がなかったとは言え、B'zの少なくともミリオンシングルくらいならば俺でも犬でも知っている。一方のAKB、B'zの2倍近い28作のミリオンシングルのうち、俺が知るのはせいぜい5曲程度。俺が歳をとり、音楽の流行りについていけなくなったからであろうか。