ドラえもんのひみつ道具!どうしたら「宇宙完全大百科」を作ることができるのか!? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

漫画・アニメ『ドラえもん』に登場するひみつ道具で、「宇宙完全大百科」なるものがある。Wikipediaみたいなものを想像してもらえれば良いだろう。宇宙のありとあらゆる情報を本体コンピュータに記録・保存し、端末機で検索すればいつでも必要な情報を引き出せるというアイテムである。


しかしその情報量たるや、Wikipediaなどまるで比較にならない。のび太がどのような生い立ちを経て誰と結婚するか、あるいはジャイアンたちの草野球の勝敗結果など、恐ろしく微細な事柄までくまなく記録されているのだ。そのとてつもなく膨大な情報量が故に、本体コンピュータは惑星1個分ほどのサイズになり宇宙空間に浮かべてあるらしい。


けれど幼心に俺は思った。「そんなもん全て記録していたら、メモリーは惑星1個分では全然間に合わない、というかそれこそ情報量は無限大ではないか」。


では現実に、どうしたら宇宙完全大百科を作ることが出来るのだろうか。いや、さらに具体的に言うならば、どうしたら宇宙全ての情報を有限量に抑えることが出来るのであろうか。もし俺ならば、ある時間tにおける宇宙全ての素粒子の座標と運動量だけを情報としてコンピュータに記憶させる。なぜなら宇宙の天体運動も地球の生命の営みも、そして我々人間の活動も、究極的に細分化すれば素粒子の物理運動で説明できるからだ。


そして端末機からオーダーを受けた事柄について、時間tから未来に向かいあるいは過去に遡り、素粒子情報を計算してそこからマクロな状況を予測するのだ。果たして1秒間に10の何乗回演算をすればよいのか見当もつかぬが、恐らくそれが「宇宙完全大百科」の保存データ量を有限かつ最小に抑える方法であろう。


しかし上述の俺のアイディアには致命的欠陥がある。量子力学の概念を完全に無視しているのだ。「宇宙全ての素粒子は確率的にしか存在し得ず、全ての物理現象は全くの不確定に生じる」。そんなことを言われてしまったらそれこそ情報量は無限大、俺の凡庸脳では完全にお手上げなのである。