ある人たちは同情を求め、語気を荒げてこう言う、「お前に俺の一体何が分かるんだ」。ならば俺は返答しよう、「お前のことなど分かるか。俺はお前じゃねえしお前も俺じゃねえ。自惚れるなボケッ」。
たとえどんなに親愛なれども、他者が人の気持ちを100%理解するなど到底不可能だ。例えば俺の場合、長く付き合う友人たちが知るのはせいぜい俺の10%、その中で数少ない親友が知るのは15%程度であろう。それは失望的数字であろうか。否、俺ならば彼らに感謝する。たとえ10%でも15%でも俺を知り受け入れようというその努力、そして情愛に対してだ。
「人に自分のことを知ってほしい、受け入れて欲しい」、そう望むのが人の常というものであろう。しかし相手に自分のことを知ってほしくば、まず5%でも10%でも自分から相手を理解する努力をすべきだろう。そしてそれが如何に難しいことか、身を以て知るべきだ。