新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』が驚異的なヒットを飛ばしている。現時点で累計興行収入は194億円、宮崎駿監督『もののけ姫』を抜いて邦画歴代3位に浮上。もはや興行収入200億円突破は確実であり、あとは同監督『千と千尋の神隠し』が持つ、国内公開映画の歴代最高興収記録304億円にどこまで迫れるかが焦点となってくる。
◆邦画アニメ歴代興行収入
1位 千と千尋の神隠し 304億円
2位 ハウルの動く城 196億円
3位 君の名は。 194億円
4位 もののけ姫 193億円
5位 崖の上のポニョ 155億円
6位 風立ちぬ 120億円
7位 借りぐらしのアリエッティ 92億円
8位 STAND BY ME ドラえもん 83億円
9位 映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン! 78億円
10位 ゲド戦記 76億円
さて、宮崎駿監督作品が記録的な興行成績を連発するようになったのは、97年『もののけ姫』以降である。俺はその時高校生、当時のことは良く覚えている。『もののけ姫』の成功、それは作品の秀逸性ではなく、プロモーションの勝利であった。スタジオジブリはそれまでにないほど大々的な広告活動を展開。結果、『もののけ姫』は当時の日本記録となる興収193億円を叩き出したのだ。
もちろん宮崎駿が、日本を代表するアニメ映画監督であることに異論の余地はない。しかし日本にアニメ作家は宮崎氏だけなのか。宮崎氏だけが特別な存在なのだろうか。否、宮崎駿に取って代わる勢いの新鋭クリエーターは、それこそ国内に数多いよう。『君の名は。』のメガヒット、今年2016年は「脱・宮崎駿元年」である。