いささか死語の感があるが、「サザエさん症候群」なる言葉がある。土日休みもいよいよ終盤、日曜夕方に『サザエさん』を観ることによって夢気分から一気に覚め、また月曜から始まる一週間を思い起こし憂鬱になるという心理現象である。
しかし「サザエさん症候群」、死語というより失効といった方が適切かも知れない。この語が出来たのはひと昔もふた昔も前、まだ『サザエさん』が30%近い視聴率を誇っていた頃だ。けれど今や『サザエさん』の視聴率は11~12%、残念ながら”一億総視聴番組”の座から陥落してしまった。
◆後世に残したい国民的アニメTOP10
(フジ『アニメアカデミー
1億3000万人が選ぶ不朽の名作』より)
1位 サザエさん (フジ)
2位 ドラえもん (テレ朝)
3位 となりのトトロ
4位 まんが日本昔ばなし (TBS)
5位 ドラゴンボール (フジ)
6位 ONE PIECE (フジ)
7位 名探偵コナン (日テレ)
8位 風の谷のナウシカ
9位 鉄腕アトム (フジ)
10位 アルプスの少女ハイジ (フジ)
ならば「サザエさん症候群」に代わる日曜夕方、全国民の間に蔓延する憂鬱感をキャッチーに表す新語はないものだろうか。順当に考えれば「笑点症候群」となろう。『笑点』は今なお20%以上の高視聴率を維持。もっともこの命名によって、『笑点』は全く笑えない番組になってしまいそうだが。
あるいは「サザエさん症候群」が今なお有効ならば、その対義語として金曜夜、「ドラえもん高揚症」なる言葉が出来ても良さそうなものだ。『ドラえもん』も『サザエさん』に負けず劣らず、常時10%近い視聴率をキープしているのだから。