「この棚の端から端まで全部ください」。これが俗に言う「大人買い」である。子供の頃、誰もが憧れた…と言うが、実際に憧れていたヤツを俺は小中高大見たことがない。
それに大人買いは、物にもよるが言うほど「大人」ではない。例えば『SLAM DUNK』を全巻一括購入してもせいぜい15000円程度。それでマイケル・ジャクソンや叶姉妹の気分になれるのだから安いものだ。
そして俺はふと思った。「タバコのカートン買いは果たして大人買いと言えるのか」。
一般にタバコは嗜好品に分類される。嗜好品の大量買いであるならば、それは立派な大人買いだ。しかし世間がタバコをどうカテゴライズしようと、俺にとっては消耗品である。例えばトイレットペーパーのまとめ買いを大人買いと言うだろうか。まず、あり得ない。
つまり大人買いとは大量購入行為全般を指して言うのではなく、その定義は物によって人によって変わってくるのだ。
人によって定義が変わるならば、問題の焦点は大多数の人がどう見るかと言うことになってくる。果たして世間一般の人たちは、タバコのカートン買いを大人買いと呼ぶのか。それとも呼ばないのか。
考え抜いた末、俺が至った結論。「わかばのカートン買いは大人買いではない。しかしシガーの大量購入は大人買いである」。以上。