中国、後漢・三国時代。
当代随一の傑物を挙げるなら、間違いなく曹操であろう。彼の軍略家、そして政治家としての才覚、実績は他を圧倒し飛び抜けていた。しかしそれにも関わらず現在日本において、また本家中国においてもナンバーワンの人気を博しているのは、ご存じ諸葛孔明である。今日広く知られる三国志のベースとなった『三国志演義』でも曹操は敵方、主人公は諸葛孔明だ。
曹操と諸葛孔明。
まさに対極的な、両者の後世の評価。それは一体なぜであろうか。思うに、曹操が背徳非道も辞さない冷酷な奸雄であったのに対し、諸葛孔明は生涯君主に忠誠を貫き、国家の為に無私で身を捧げた忠義の人であったからではないだろうか。やはり人々は往々にして、傑人には聖人を求めてしまうのだろう。
さて、既述の通り。
俺は大の『ドラえもん』ファンである。そして同時に、大の藤子・F・不二雄ファンでもある。一方で俺は、『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』などのジブリ作品もまた好んでよく観ていた。しかし宮崎駿のファンなのかと問われれば、いささか答えに詰まってしまう。その理由は、両氏の人柄にある。現代の傑物・宮崎氏にまつわる逸話を紐解くと、否応なく氏のある種の人間的欠落を垣間見てしまう。それに対し、藤子F氏の優しさ、心の温かさを物語るエピソードは枚挙に暇がないからである。
さしずめ俺にとって。
宮崎駿は三国志の曹操、藤子・F・不二雄は諸葛孔明なのである。もっとも言うまでもなく、俺は諸葛孔明や藤子F氏に実際に会って話したことなどあるはずがない。ただ大なり小なり美化されていよう没後の談を読んだだけ、そう言われてしまえばそれまでなのだが。
◆後世に残したい国民的アニメTOP10
(フジ『アニメアカデミー
1億3000万人が選ぶ不朽の名作』より)
1位 サザエさん
2位 ドラえもん
3位 となりのトトロ
4位 まんが日本昔ばなし
5位 ドラゴンボール
6位 ONE PIECE
7位 名探偵コナン
8位 風の谷のナウシカ
9位 鉄腕アトム
10位 アルプスの少女ハイジ