昨年2015年は、戦後70年の節目の年であった。
先の大戦、我々は被害者として、また加害者として、
先人の悲痛を、教訓を後世に伝え遺すことを怠ってはならない。
さていつだったか、アメリカのある高官の発言に、
俺は極めて強い違和感を覚えた。
「今年は米ソ冷戦終結25年の節目の年であり…」
冷戦終結25年の節目、言われてみれば確かにその通りである。
しかしもし日本人であれば、
まず冷戦終結から年を数えたりはしないであろう。
我々がこの国の転換期を顧みた時、
そこにあるのは間違いなく第二次世界大戦であり、冷戦ではない。
全て日本国民が多くを失い、多くを忍び、
そして多くを学び活かすことを自らに誓った、あの凄惨な大戦。
しかしアメリカにしてみれば、それは米ソ冷戦に比べたら、
取るに足りぬほどのささいな事態だったのだろうか。
かの発言に、俺はやりきれぬ憤りを禁じ得ない。