現代科学を以て、人類が具体的に想像し得るのは、
せいぜい現在から1億年程度先に至るまでの、
未来予想図に限られるだろう。
しかし科学水準がもたらす予測精度はさておいて、
あくまで想像力の絶対値について論じるならば、
例えば古代インド人は、その遥か先の世界を思い描いていた。
そして俺が肌で見知りたいのは、
たかだか1億年や1兆年先の話ではなく、
10の100乗年、1000乗年先の全宇宙森羅万象だ。
けれどそれを不可能たらしめるのは、
自然科学などというツールの問題ではなく、
純粋に人間のイマジネーションのキャパシティなのだろう。