ブログネタ:反抗期の思い出
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まきしま34歳。
これまでの半生、ただの一度も人を殴ったことがない!!
もちろん、俺ももういい歳の大人。
今人に手を上げれば、ただちに暴行罪で警察の御用だ。
しかし例えば学生時代。
若気の至りで友人と殴り合いの大喧嘩。
そんなヤンチャな思い出の一つもあって良さそうなもの。
けれど俺には、そのような経験が一切ない。
今でこそ体罰だの虐待だの、
ちょっとでも子供を小突けば大問題に発展しようが。
恐らく俺は、最後の”殴られ世代”である。
それこそ幼少期、俺は何度親父に殴られたか分からない。
俺にとってまさに親父こそが、
「力の象徴」、そして「恐怖の象徴」であった。
やがて中学高校と進み、俺は「自分の意外な腕力」に気付く。
例えば腕相撲、例えばゲーセンのパンチングマシン、
俺は周りの友人たちと勝負し、ほとんど負けなしだったのだ。
しかしそれでも尚。
俺は親父にだけは絶対に勝てる気がしなかった。
親父に挑む勇気さえ、とてもとても起きなかった。
幼少期の記憶、それほどまでに、
俺にとって「親父の腕力」は絶対であった。
俺が初めて意を決し、親父に腕相撲を挑んだのは高3の時だ。
その時の親父の圧倒的威圧感、今でも忘れられない。
俺より一周りも二回りも太い腕。
そしてまさしく絶対的強者の堂々たる風格。
親父と腕を組む。ゾクゾクと背筋が凍りつくような戦慄。
Ready, go!
…勝負はまさに一瞬だった。
0コンマ3秒、俺は親父の腕を卓上に叩きつけていた。
まさに予想だにしない幕切れ、そして俺は悟ってしまった。
「もし本気で殴り合ったら、俺は親父を殺してしまう!
いや、親父だけではなく全ての人に対してだ!!」
かくして俺は、親父に対し反抗期を迎え損ねた。
あの対決から10余年、ついに還暦を迎えた親父。
もはや腕相撲でさえ、俺は親父の腕を痛めてしまうだろう。
しかし俺はいまだに、悔いが残ってならない。
遠い遠い昔、最強・最恐だった頃の親父!
俺は反抗期丸出しで思いっきり殴り合ってみたかった!!