ジブリという現象は一体何だったのであろうか? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

2013年、スタジオジブリの映画『風立ちぬ』を最後に、
映画監督・宮崎駿が長編映画製作からの引退を表明。

日本の映画史が一つの節目を迎えた今、
俺はあらためて問いたい。

「ジブリという現象は一体何だったのであろうか?」




以下のランキングを見てほしい。

これは映画ランキングドットコム調べによる、
「国内邦画作品興行収入ランキング」である。

  1位 千と千尋の神隠し   304.0億円
  2位 ハウルの動く城   196.0億円
  3位 もののけ姫   192.1億円
  4位 踊る大捜査線 THE MOVIE 2   173.5億円
  5位 崖の上のポニョ   155.0億円

  6位 風立ちぬ   120.2億円
  7位 南極物語   100.3億円
  8位 借りぐらしのアリエッティ   92.5億円
  9位 子猫物語   91.8億円
  10位 永遠の0   87.6億円

TOP3をジブリ作品が独占、
そして10位以内に実に6作品がランクイン。

過去20年、日本映画界は、
まさにスタジオジブリとともにあったと言っていいだろう。

しかし、ならば『もののけ姫』や『千と千尋』は、
それほどまでの最高傑作であったのか?

続いて、以下のランキングを見てほしい。

これはTSUTAYA online調べによる、
「子供に観せたいアニメ映画ランキング」である。

  1位  となりのトトロ
  2位  風の谷のナウシカ
  3位  劇場版ドラえもん
  4位  劇場版ポケットモンスター
  5位  天空の城ラピュタ

  6位  崖の上のポニョ
  7位  劇場版ONE PIECE
  8位  火垂るの墓
  9位  劇場版エヴァンゲリオン
  10位  劇場版クレヨンしんちゃん

依然、作品の評価が高いのは『トトロ』や『ナウシカ』であり、
それは『もののけ姫』、『千と千尋』ではない。




かつては俺も、ジブリ映画の大ファンだった。
『ナウシカ』や『ラピュタ』など、何度借りたか分からない。

けれどそんな昔のことも、いつしか忘れてしまった。

もちろん、今日全てのエンターテイメントは、
あくまでコマーシャリズムを前提としている。

その意味においてスタジオジブリは、
まさに歴史的偉業を成し遂げたと言えよう。

しかし、後年のジブリ作品の質の低下、
それに反比例するかのように過熱した宣伝広告。

そして、到底作品に対する正当な評価とは言い難い、
あまりにも馬鹿げた動員数。

どうしても観入るより先に興ざめしてしまうのだ。




もし仮に、ジブリ映画の興行収入が30億円程度なら、
俺は間違いなくこう言うだろう。

「いや、『ポケモン』や『コナン』より確実に面白いよ」

しかし興行収入300億円、その途方もない数字を前に、
俺はこう言わざるを得ない。

「ぶっちゃけ、そこまでではねえよ」