例えば、潮風を浴びながら岬に立つ。
目の前に広がるのは、
壮大な、果てしなく壮大な水平線!
そして我々は、万感の思いを巡らせることであろう。
「これが、まさにこれこそが我らが地球の広大さだ」
しかし実際、我々はこの地球上において、
一体どれほど遠き、広きを見渡しているのだろうか?
水平線、地平線までの距離は、
三平方の定理で簡単に導き出すことができる。
ここでは細かい計算は割愛するが、
水平線、地平線までの距離はというと…
およそ4.3km!
1周およそ4万km、この広い地球において、
我々が目にし得る世界はわずかに半径4kmなのだ!!
例えば、天体望遠鏡で夜空を仰ぐ。
我々の目に映し出されるは、
数十万、数百万光年彼方の星々の神秘!
果たしてこの宇宙は、どれほど広大なのだろうか?
一般的に言われるのが、半径465億光年!
しかしこれは、「観測可能な宇宙」の大きさである。
「観測可能な宇宙」とは理論上、
我々が光学的に観測し得る範囲の宇宙である。
宇宙誕生から現在までのタイムリミット。
そして光の速度は無限ではない、あくまで有限である。
よって「観測可能な宇宙」より外の光は、
いまだ地球に届いていないのだ!
では、全宇宙の大きさはというと…
実に10の10乗の10乗の122乗光年!
我々が見知る、
それこそ途方もなく広大な「観測可能な宇宙」。
しかしそれさえも、全宇宙の極大スケールに比べたら、
塵一つにも満たない微小領域なのだ!!
天上天下森羅万象、多種多様な人間社会。
我々は一体どれほど多くを見聞したつもりだろう?
世界の中のごく一部、以て全てと驕ることなかれ!!
されば人生は、
飽くなき未知を与えてくれるだろう。