刻んだ身体の傷は一生消えない | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

つらくとも、苦しくとも、惨めでも、
私は生きなくてはならない。

たとえそこに、理由など何一つなくても――――



私は笑い方を知らない。
いや、笑い方を忘れてしまった。

笑って見せたとしても、それは本心からではない。

悲劇のヒロインを気取るつもりはない。
けれど他の人のように、上手くなんて生きられない。

凄惨な過去の記憶が、私から私を奪い去ってしまった。

喜びも怒りも哀しみも何もかも、
まるで機械のように、感情などなくなってしまえばいい。

本気でそう思っていた、遠い追憶のあの頃。

刻んだ身体の傷は一生消えない。
そしてまた、心の傷も。