才能は残酷なほど不平等だ | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

ふと懐かしい過去、鮮明に記憶が蘇る。

今尚親しい友人甲氏と俺は、中学時代、
互いにテストで学年1位を競い合っていた。

そして同じ県内随一の進学校へ進み、
志望大、必須科目こそ違えど、ともに切磋琢磨した仲だ。

甲氏は口癖のように言う、
「勉強しないから勉強が出来ない、それは理由にならない」

けれど俺は、その説に賛同する訳にはいかなかった。

何故なら俺は、ギリギリまで努力しない限り、
到底甲氏と肩を並べることなど出来なかったからだ。




もちろん言うまでもなく、甲氏も努力をしたであろう。
しかし俺は、恐らくその倍は努力した。

そうしない限り、甲氏と同等の成果は挙げられなかっただろう。

そして、あくまで結果として自分より学力が劣るものの、
自分より遥かに優れた頭脳の持ち主を腐るほど見てきた。

「もしコイツが俺と同量の努力をしたら、
俺には到底勝ち目はないな…」

そんな者たちをも、甲氏は凌駕する存在なのか。

誰よりも長く付き合っていながら、分からない。
甲氏は一体、どれほどの怪物なのだろうか。




ちなみに俺は、自分の知能指数を知っている。

俺のIQは119、これは100人中7位相当である。
お世辞にも、学年1位、県内随一と言ったレベルではない。

この現代日本において、教育の機会は平等に与えられている。
それについて、俺に異論はない。

しかし、才能は残酷なほど不平等だ。