果たしてこれは周知だろうか。
俺はかなり性格が悪い。
他人の成功など祈ったことがない。
と言うより現在の俺の窮状、
他人を気にかけている場合じゃない。
先日、中学以来の親友・甲氏から電話。
兼ねてよりずっと切望していた部署へ、
ついに配属が決まったらしい。
「マジか?おめでとう!」
それは脳を介さず反射的に口をついて出た。
俺は本当に嬉しかったのだ。
他人の成功を心から喜べる、
それは33歳にして初めて見る自分だった。
果たしてこれは周知だろうか。
俺はかなり性格が悪い。
まるで我が事のように、
心の底から一喜一憂、喜怒哀楽。
甲氏の他に、あと何人いるだろうか。