これも結構前の話になるのか?
以前、高校以来の友人甲氏と飲んだ。
この歳になると、そうそう友人と頻繁には会えない。
半年か、1年か、あるいは普通に3年ぶりだったりする。
甲氏と会うのも、その時で1年かそれ以上ぶりだ。
甲氏と言えば、俺の友人内随一のイケメンにして、
まさしく純生のナルシスト!
髪型、ファッション、その他細部に至るまで、
彼の美意識の高さは、同性ながら軽くドン引くレベルだ。
「おう、待たせてスマン!」
待ち合わせは大宮駅。少し遅れて現れた甲氏は…
小ざっぱりとした髪型に、
しまむらで980円で売ってそうなポロシャツ、別人だった!
U高校一のイケメンにして、埼玉一のナルシスト!
俺の知っている甲氏は、もはやどこにもいなかった。
“男”とは実に単純にして馬鹿な生き物だ!
「女にモテる!」その全身全霊をそれだけの為に費やす。
俺自身はどうだったか?自分では分からんが、
俺の周りの友人たちは、例外なく皆“男”であった。
しかし結婚し家庭を築くと、男は“男”ではなくなる!
“夫”そして“父親”、
もはや“男”ではない、完全なる別生物になるのだ!
そして“男”の極み!甲氏もまた例外ではなかった。
結婚し、妻子を抱え家庭を築き、
“夫”“父親”になる為に、“男”を卒業したのだろう。
甲氏は言った。
「まきしま、全然昔と変わらないなあ!」
変わらないんじゃない、変われねえんだよ。