それ | まきしま日記~イルカは空想家~

まきしま日記~イルカは空想家~

ちゃんと自分にお疲れさま。

宵闇が窓の外を浸す頃、
それは音も立てずベッドの下から這い出てくる。

始めは遠慮がちにソロソロと、
やがて次から次へと我が物顔に。

そして1匹、また1匹また1匹と、
それは手から足から私の身体を這い回る。

何万匹ものそれが私の手足を伝い呼吸中枢へ…
「助けて―――――」



ある人はそれを「退屈」と呼ぶ。
私はそれを「孤独」と呼ぶ。