東日本大震災・横浜から埼玉県北に帰る男(その7) | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

午後4時半、大宮駅。


目にした光景は、
俺の楽観的観測を根底から覆すものだった!!


人・人・人…
ホームから溢れ出す人の群れ!
最寄り・久喜駅に通ずる宇都宮線は、
いまだ復旧の見通しさえ立たず。


そうなのだ!


一見、”平常”を取り戻したのは首都圏のみ。
一歩外に出れば、
そこでは今なお”震災”は現在進行形。


俺は前日に学習していた。
いつ来るとも分からぬ電車、
駅で待ち続ける体力的・精神的疲弊を考えたら、
腹をくくり、さっさと宿を見つけた方が良い。


大宮駅から外に出る。


今の疲労の度合いを考えたら、
カプセルホテルという選択肢もあっただろう。
しかしこの迅速的判断が求められる状況下、
丸一日情報から隔離される訳にはいかない。


ネカフェに入る。
ここならネットもテレビもある。


この一畳ほどの閉鎖空間、ここが今夜の俺の宿。
深々とダイニング・チェアに腰を沈める。
疲れた…


しかしテレビをつけた俺は、
またしても驚愕にさらされることとなる!!


午後3時半、
福島第一原発の天井が爆発!!


政府は以後一切の情報を封鎖、
何一つ事態の説明がないまま、
第一原発半径10km、第二原発半径3kmであった避難区域は、
ともに半径20kmに拡大されていた―――


(続く)