【妄想劇場】 報道権 | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

Fテレビ 朝のニュース

「次は税制の抜本改革についてのニュースです。
消費税率を引き上げるべきか?と言う問題について、
Fテレビが独自に調査したところ、
約70%の人が引き上げるべきではない、と回答しました。
よって我がFテレビは、国民の声を代表し、
消費税率の現状維持を要求します」

Fテレビ お昼のニュース

「次は秋田県で起きた幼女ひき逃げ事件に関するニュースです。
危険運転致死罪を適用すべきか?という問題について、
Fテレビが独自に調査したところ、
約85%の人が適用すべき、と回答しました。
よって我がFテレビは、国民の声を代表し、
危険運転致死罪の適用を要求します」





20XX年、マス・メディアは、
立法、行政、司法に次ぐ”第四の権力”として、
世論に多大な影響力を誇っていた。

その一方で、テレビ各局による情報の錯綜は、
国民を困惑させ混乱を招くとして、
大きな社会問題となっていた。

事態を受けて国会は、
「報道規制法」を成立させ、
テレビ局ただ一局にだけ「報道権」を認めることにした。

そして第一回目の国民投票が行われた。
民放4局が出馬する中、
Fテレビが一年間の「報道権」を獲得した。





Fテレビ 夜のニュース

「次は内閣支持率についてです。
Fテレビが独自に調査したところ、
約80%の人が内閣を支持しない、と答え、
さらに約70%の人がH山首相は辞任すべき、と回答しました。
よって我がFテレビは、国民の声を代表し、
H山首相の辞任を要求します」

Fテレビ 朝のニュース

「特報です。
H山内閣総理大臣が、世論の不支持の高まりを受け、
今朝方、辞任を表明しました。
間もなく記者会見が…」