20XX年、
夜空には一際大きく銀色の月が輝いていた。
セラミックで出来た月など、
もちろん自然物である訳がない。
これはグローバル政府が試験的に造った、
人工島である。
地球の周回軌道に浮かぶこの人工島には、
農業施設、工業施設、発電所、社会施設などが整備され、
すでに10億人の住民が試験的に移住し、
地球上となんら変わらぬ、快適な生活を送っていた。
。。。。。
とどまることを知らない人口増加は、
環境問題の上に重くのしかかり、
今にも地球の自然を押し潰そうとしていた。
世界人口は200億を越え、
地球のエネルギー資源、鉄鋼資源は掘り尽くされ、
世界のいたるところで飢餓や公害が蔓延していた。
人口問題は、
まさに一刻一秒を争う国際問題となり、
グローバル政府は早急に対応を迫られていた。
そして試験的に造られえたのが、
この銀色に輝くセラミックの人工島。
世界人口の一部を宇宙に転嫁することで、
地球の資源と環境を守ろうとしたのである。
ところが、
ここで困った問題が起こった。
「一体誰を移住させるか?」
発展途上国を国ごと移住させるという案も出た。
少数民族を強制移住させるという案も出た。
しかし、そのどれもが却下された。
誰かを強制移住させることは、著しい人権侵害にあたる。
世界全人類の人権を尊重するには、
あくまで自発的な移住希望者を募らなくてはいけないのだ。
そう、喜んで移住してくれる誰かを…。
その時、ある若手議員が提案した。
「こんな人たちに移住を募ってはどうでしょう?」
。。。。。
こうして、地球上から煙草が姿を消した。
地球上の全ての地域が全面禁煙となったのである。
ここは宇宙に浮かぶ人工島。
展望喫茶店では出勤前のサラリーマンが、
窓から地球を眺めながら、優雅にコーヒーと煙草をたしなんでいた。
「分煙、分煙と叫ばれていた時代がなつかしい。
この人工島では、誰にも気兼ねなく、どこでも自由に煙草が吸える。
いい時代になったもんだ」
夜空には一際大きく銀色の月が輝いていた。
セラミックで出来た月など、
もちろん自然物である訳がない。
これはグローバル政府が試験的に造った、
人工島である。
地球の周回軌道に浮かぶこの人工島には、
農業施設、工業施設、発電所、社会施設などが整備され、
すでに10億人の住民が試験的に移住し、
地球上となんら変わらぬ、快適な生活を送っていた。
。。。。。
とどまることを知らない人口増加は、
環境問題の上に重くのしかかり、
今にも地球の自然を押し潰そうとしていた。
世界人口は200億を越え、
地球のエネルギー資源、鉄鋼資源は掘り尽くされ、
世界のいたるところで飢餓や公害が蔓延していた。
人口問題は、
まさに一刻一秒を争う国際問題となり、
グローバル政府は早急に対応を迫られていた。
そして試験的に造られえたのが、
この銀色に輝くセラミックの人工島。
世界人口の一部を宇宙に転嫁することで、
地球の資源と環境を守ろうとしたのである。
ところが、
ここで困った問題が起こった。
「一体誰を移住させるか?」
発展途上国を国ごと移住させるという案も出た。
少数民族を強制移住させるという案も出た。
しかし、そのどれもが却下された。
誰かを強制移住させることは、著しい人権侵害にあたる。
世界全人類の人権を尊重するには、
あくまで自発的な移住希望者を募らなくてはいけないのだ。
そう、喜んで移住してくれる誰かを…。
その時、ある若手議員が提案した。
「こんな人たちに移住を募ってはどうでしょう?」
。。。。。
こうして、地球上から煙草が姿を消した。
地球上の全ての地域が全面禁煙となったのである。
ここは宇宙に浮かぶ人工島。
展望喫茶店では出勤前のサラリーマンが、
窓から地球を眺めながら、優雅にコーヒーと煙草をたしなんでいた。
「分煙、分煙と叫ばれていた時代がなつかしい。
この人工島では、誰にも気兼ねなく、どこでも自由に煙草が吸える。
いい時代になったもんだ」