【妄想劇場】 家を出る朝

私はこの家を出て行く。

幼い二人の子供を残して。

理由は誰の為でもない、
私の為。

貴方とお義父さんとお義母さんと、
そんな場所にもう耐えられなかった。
１秒だって居たくなかった。

私の母は私が幼い時、
男をつくって出て行った。

「きっと私なんか居ない方がいいの」
そう言い残して。

誰かの為に出て行くの？
なんて都合のいい大義名文。
お母さん、
あなたは卑怯ね。

あなたが出て行ったのはあなたの為、
そんな身勝手な自分を受け入れられずに、
あなたは自分に嘘を吐いたのね。

私はこの家を出て行く、
誰の為でもなく自分の為に。

私は私の全てに責任を持つ。
醜い身勝手さから目を反らさない。

もう涙は流さない、
同情を誘う為の涙ならいらない。

私は悲劇のヒロインになんてなりたくない。