初めて赤い血を見た。
初めてこんなにも赤い血を見た。
そなたが自ら胸に突き刺した短剣、
その冷たく膠着してゆく骸から流れる血は、
それと対比するように温かく、
まるでそなたから体温を奪って行くかのように温かく…
何を怨まん…
このこみ上げる悔い、いたたまれぬ悔い、
私は何を怨まん…
この怨み、何処へ向ければ収まろう。
天か、漢兵か、それとも…
もはや物言わぬそなたの、
そなたの唇は何か物言いたげに、
まるで私に物言いたげに…
何故今になってそなたは私に伝える。
何故私の咎を私に伝える。
私はこの手で、
幾万の兵の首をかき切ってきた。
吹き上げる血しぶきの中を、
ものともせず駆け抜けてきた。
そなたは私を咎めるか。
その血を以て私を咎めるか。
そなたの血に染められたこの両の腕。
今、初めて血の意味を知る。
その赤さ、その温もり、
私は初めて流れる血の意味を知る。
そなたの、万民の血で染められた、
この両の腕の咎を知る。
今、凱下に押し寄せる漢兵百万、
やがて私も大地に骸をさらすであろう。
そなた亡き今、一体何を惜しもう。
いざ、赴かん。
雄雄しく死に場を求めん。
そなたの血に、血を以て償わん。
全ての血に、血を以て償わん。
初めてこんなにも赤い血を見た。
そなたが自ら胸に突き刺した短剣、
その冷たく膠着してゆく骸から流れる血は、
それと対比するように温かく、
まるでそなたから体温を奪って行くかのように温かく…
何を怨まん…
このこみ上げる悔い、いたたまれぬ悔い、
私は何を怨まん…
この怨み、何処へ向ければ収まろう。
天か、漢兵か、それとも…
もはや物言わぬそなたの、
そなたの唇は何か物言いたげに、
まるで私に物言いたげに…
何故今になってそなたは私に伝える。
何故私の咎を私に伝える。
私はこの手で、
幾万の兵の首をかき切ってきた。
吹き上げる血しぶきの中を、
ものともせず駆け抜けてきた。
そなたは私を咎めるか。
その血を以て私を咎めるか。
そなたの血に染められたこの両の腕。
今、初めて血の意味を知る。
その赤さ、その温もり、
私は初めて流れる血の意味を知る。
そなたの、万民の血で染められた、
この両の腕の咎を知る。
今、凱下に押し寄せる漢兵百万、
やがて私も大地に骸をさらすであろう。
そなた亡き今、一体何を惜しもう。
いざ、赴かん。
雄雄しく死に場を求めん。
そなたの血に、血を以て償わん。
全ての血に、血を以て償わん。