令和芸能界への怒りと失望を小林旭が語った。
2024.01.08 07:00週刊ポスト
昔話で恐縮だけど、俺が20代で『銀座旋風児』や『渡り鳥』シリーズで主役を張った時は、撮影スタッフから「あんたの双肩に全員の生活がかかってんだぞ」と釘を刺されたもんだ。重圧の中で、なんとかお客さんを惹きつける演技をしようと死ぬ気で努力した。裕ちゃん(石原裕次郎)にしろ、勝ちゃん(勝新太郎)にしろ、俺と同時期に主役を張った役者はみんな覚悟が違ったよ。
音楽の世界もだいぶ変わったね。若い連中がサングラスをかけて平気でテレビに出ている。ゴツゴツしたネックレスや指輪、ピアスを付けて、流行に乗って目立とうとするだけだ。
アイドルも変な髪の色をしたのが大勢でワーワー出てきて、器械体操みたいなダンスをしてる。ピンで出てきて、「ああ、こいつはカッコいいな」と思わせる奴がいないよ。
こうやって苦言を呈すると「老害だ」とか「偉そうなこと言いやがって」と睨まれるから、みんな口をつぐむんだ。俺のように堂々とモノが言える役者はもういない。昭和の芸能界を肌で知り、今日まで生きてきた人間は俺だけになってしまった。
本来なら通行人や脇役程度の連中が主役を張っている。俺はもう、そんなテレビに出ることは御免被りたいよ。
全4回、賛否両論有ると思いますが、面白いですよ。
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