読書メモ CCXVIII 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 | 読書メモと自己ログとときどきその他

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読んだ本へのコメントなどを気ままに述べるブログです。ほとんど自分の読書記録のようなものになるかと思いますが、他者への紹介にもなるようにしっかりと表現していきたいと考えております。

こんばんは!

 

久々の読書メモ投稿です。

 

この作品は結構前から紹介しようと思っていましたが,タイミングが遅くなりました。

 

辻村深月先生著,『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』です。

 

 

Amazon.co.jp: ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫) : 辻村 深月: 本

 

○あらすじ ※ 上記サイトより引用

 

事件を起こすなら、私のほうだと思ってた。

母を殺してしまった娘と、母との確執を抱える娘。どんな母娘(おやこ)にも起こりうる悲劇。

地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作

 

○感想

 

本作の核となる存在は,「母と娘の関係」及び「女性同士の友情」の2つであると思われます。

 

その2つがうまい具合に交錯しながら物語が進んでいきます。

 

主たる登場人物は,みずほとチエミの2人。

 

みずほは母親と良い関係とは言えず,地元に帰ってもあえて実家に寄らずわざわざホテルに泊まっていくことを繰り返している。

 

一方で,チエミは母親もふくめて家族仲良く暮らしていたように見えたが,母親を殺して失踪してしまっている。

 

みずほは,チエミを探してかつて友人たち,チエミの知り合いなどを立て続けに訪問していく。

 

○みずほはなぜ,チエミを探すのか

 

○チエミはなぜ逃げ続けているのか

 

この辺が読み進めていくうちに明らかになっていきます。

 

この作品の特徴として

 

★心情が描かれたり,細かい説明がなされる人物は概ね女性

 

★2部構成で,初めがみずほ視点,次がチエミ視点

 

というものがあります。

 

個人的には,チエミ視点の物語が少ない(みずほ視点が多いという捉え方もある?)ように感じましたが,分量的には説明をしっかりしつつ物語を完結させるための限界だったのかもしれませんね。

 

そして,この辺の辻村先生の作品でよく登場するダメな男が本作にも現れます。

 

以前に紹介した『凍りのくじら』の若尾ほどではないと思いますが,今作の柿谷大地という人物もなかなか悪い男性感がありました。

 

↓凍りのくじらの読書メモはこちら↓

読書メモ XL 辻村深月作品Part2 | 読書メモと自己ログとときどきその他 (ameblo.jp)

 

 

本作は,ミステリー要素もあり,女性同士の何とも言えない友人関係の形も描かれ,そして親子の形も描かれといった様々な要素を統合させて最後にそれらがつながって結末を迎えます。

 

個人的には,辻村先生の作品様相の転換が始まりつつあった時期(冷たい校舎の時は止まる~名前探しの放課後辺りを初期,オーダーメイド殺人クラブ以降が新たな辻村先生の作風かなと勝手に思っています)なのかなとも感じます。

 

楽しみ方も読者によって変わるタイプの作品だと思います。

 

どの辺(登場人物の心情,事件の解決までのプロセス,人間関係の形,などなど)に主眼をおいて読んでいくのか,それを決めて読んでいくと面白いかなと感じます!

 

 

今日はアニメの日!

 

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一度原作を読んで,最近アニメ化されていた『ホリミヤ piece』という作品です。

 

BS11(だったはず)でやっていたアニメをおおむねすべて観ました。あんな青春時代を過ごすことは多くないかもしれませんが,現在の学生(厳密には児童,生徒なのかな)も現在の形で楽しく過ごしていってほしいですね。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/