全体の値段のバランスで売上は変わります。
ハンドメイド販売で難しいのは価格設定です。誰でも悩みますよね。
高すぎると売れないし、安すぎても儲けがない……。
これはハンドメイドにかぎらず、あらゆるビジネスに共通のお話です。
まず、初心者が陥りがちなのが、安すぎる価格をつけてしまうこと。
安いので勿論売れますよね。
でも、結局自分に自身がついてくると値段を上げたくなります。値段を上げるとお客さんは離れていき、売上は一時的に下がります。また、一から始めるのと同じです。
価格設定の悩みは、実はみんなが通る道なのです。
皆さんこんな感じではないでしょうか?
最初は売れないとイヤなので安く設定
→ 売れる割には利益が少なくやる気が下がる
→ 価格を上げる
→ 売上ダウン
→さらにやる気をなくす。
では、どうすれば……?
選んだようで実は選ばされている『ゴルディロックス効果』とは
ゴルディロックス効果という言葉は恐らく聞いたことはないと思います。でも、実は日常であなたも知らず知らずのうちにその効果にやられています。
普段の買い物なども、自分が選んでいるようで、実は選ばされているということがあります。
逆にこのゴルディロックス効果をあなたは知っておくだけでお客さんの商品選択を意図した選択に心理誘導することができる!ということです。
ゴロディロックス効果は「ちょうどいい加減」とか「心地良い状態」のことです。
もとは、英国の「ゴルディロックスと三匹のくま」という童話から来ています。
マクドナルドのポテトの「S」「M」「L」は真ん中のMサイズが一番売れる
マクドナルドのポテトポテトには「S」「M」「L」がありますが、最も売れているのはMサイズ。
多くのお客様はSMLとサイズを3つ提示されたら、「ちょうどいい加減」のゴルディロックス効果がはたらく真ん中を選ぶのです。
だいたい「2:5:3」の比率で選択されると言われています。
選択肢は3つ
●「2つ」ではダメな理由
では、選択肢が2つだった場合はどうなるでしょうか?
2,000円と3,000円の2つだけの商品ラインナップだった場合です。
この場合は、約7割の人が、安い方の2,000円の商品を選ぶ傾向にあります。
2つだけの商品ラインナップであれば、3,000円が最も高い商品となります。最も高い商品は敬遠されることに加えて、2つの選択肢では価格を比較した時に、安い方がお得に感じてしまうのです。
●「4つ以上」がダメな理由
つぎに、選択肢が4つ以上の場合はどうでしょう。
4つ以上の選択肢があると「買わない」という選択をする可能性が高くなります。特にインターネットを使った商品紹介の場合には、「何も選択せずに立ち去る」ということが起こります。
なぜなら、人は選択することに頭を使いたくないからです。
「どれがいいかな、Aにはこれがあって得だけど、Bにはこれがあって便利だしなぁ、Cにはこんな機能が付いてるし、Dには・・・」なんてことで悩みたくはないんですね。
真ん中を選ぶ心理傾向は、行動経済学では「妥協効果」や「極端の回避性」と呼ばれています。
では、なぜ人は、真ん中を選ぶのでしょうか?
人は「安い商品よりは、高い商品の方が品質は良いはず」という思い込みがあります。
また、最高値の商品に対しては、「一番高いモノは贅沢な気がするし、もしも失敗したらいやだしなあ・・・」という心理が働いて、敬遠する傾向があります。
また、一番安いの商品に対しては、「一番安い商品を選ぶと、貧乏やケチだと思われるかも?」という、世間体を気にしたり見栄の心理が働くとも言われます。
そのため、選択肢が3つあった場合には、真ん中を選びやすくなるのです。
ただしネット販売では、人と接していないので、見栄の心理は働かない場合もあります。
これをハンドメイド販売に応用すると?
真ん中が一番売れる心理を利用すれば、売上アップを図れます。
もっとも売りたい商品を真ん中の価格にします。
例えば、1,000円の作品を売りたいとします。この時、この作品の利益率は高めに設定しておきましょう。
次に下の価格を設定します。700円くらいで買えるものがいいでしょう。一番安い価格は落お付き合い価格、あまり欲しくないけど、安いから買ってみようかなという位置づけです。
最後に一番高いものを作ります。これは手間や材料費がかかるもので売れたらラッキーくらいの価格設定にしておきます。2,000円~2,500円といったところでしょうか。そうすることで、もっとも売りたかった作品が選ばれやすくなります。
「一番高い作品はほとんど売れないから」と、その作品をなくしてしまうと、今度は1,000円の作品も売れなくなってしまいます。
ポイントは最上位商品の価格をやや離し、下位商品を真ん中の商品(売りたい商品)の価格と近づけることです。