Yahooでこんな記事 を見つけました。


台湾北西部に位置するTaoyuan(桃園)のアニマルシェルターで、殺処分される直前のわんこ達を撮影している台湾の写真家、Tou Chih-kang さん。写真を撮られるこの子たちは、この今感じている人間のぬくもりが最後のぬくもりだと、このあと自分たちを待ちうけている運命を知る由もありません。私だったらこのまま新しいお家に行くんだろうな、と思ってしまう...。


台湾の話を聞くことはあまりありませんが、つい先月、Cesar MillanDog Whisperer に出演したわんこも台湾出身だったことを思い出しました。台湾では黒い犬は縁起が悪いと言われていてセンターに入ると里親を見つけることは非常に難しいそうです。ましてや黒いわんこの足が白いと悪魔だと言われ助かる確率はほぼゼロ%。1頭でも助けたい、その子は台湾で活動をするアメリカ人女性が団体を通してL.A.へレスキューしたわんこでした。


台湾では年に約8万頭の犬が安楽死により殺処分されるそうです。収容されてから12日の待機期間が過ぎると、およそ7割のわんこ達はこの世を離れます。その間に政府も里親探しに努力はしますが、やはり国民の命に対する理解が追いつかないようです。犬を飼うということに対する文化の未熟さや、国民の多くを占める仏教信者の中には犬とは前世で悪行を働いた人間の生まれ変わりだと信じている人たちも少なくないそうです。


犬の命を真剣に受け止めてない。最初は可愛がるけれど熱が冷めると捨てる。


人間の残酷さって、愚かさって、どんな国でも同じですね。


Touさんの撮る写真の中のわんこ達は、さびしげな、でも威厳を感じさせる表情をしています。「僕は、私は、ここにいるんだよ。生きているんだよ。」って。あぁ、そのあと自分たちに起きること、わかっているのかも知れない...。最後の自分の誇りを、残しているのかもしれない。


Touさんは言います、「聞いて学ぶのではなく、感じて学ぶべきことがあります。これらの写真を通して、不幸な命について真剣に考え、感じ、我々社会がどれだけ犬たちに残酷な仕打ちをしているかを理解してほしいのです。」


自身はペットを飼うことは信条としていないTouさんが彼らの写真を撮影し始めて2年ほど経つそうです。なぜか?それは、現状の事実が彼の良心を長きに渡って悩ませていましたが、メディアが犬たちの窮状をあまり取り上げることをしないからです。


彼にとってこの子たちの写真を撮ることはとても辛いことです。でも彼は命に対する“責任”というメッセージを広げようと活動を続けています。


市民のペットを飼うことの責任についての認識向上のため、Taoyuan市役所にはTouさんの写真がいくつか飾られています。また、この8月には台湾南部にあるKaohsiung(高雄市)の高雄市立美術館 で、これまでに撮影した40,000枚ほどのほんの一部ですが展示されるそうです。


Touさんの撮影する犬たちが、明日も明後日も人間のぬくもりの中で幸せに暮らせるようになりますように。