6/13(火)
さすがロヴェロさんのワイン、あれだけたっぷりいただいたのに翌朝はすっきり目が覚めました。再びロヴェロ家へ出発です。
昨日見た畑も朝はまた違った雰囲気。爽やかですがすがしい空気です。…とはいえ日当たりのよいぶどう畑はすぐに気温が上がっていくんですけどね。。熱中症対策に帽子は必須です!
ロヴェロ家では20ヘクタールのぶどう畑を持っていて、家から見えるこの写真の一帯が一番大きく、約8割を占めるそう。山に囲まれた谷間の部分はすべてロヴェロ家の畑だそうです。畑にはバルベーラが60%、グリニョリーノが15%、そのほかの品種は20%、そして残りは5ヘクタールほどの面積にぶどう以外の野菜や果物、ヘーゼルナッツを育てています。野菜や果物は販売用ではなく、家族の食卓や、昨日の農家レストランのために作っているそうです。
畑に行くとぶどうの花は終わりかけで、すでに小さな実がついています。エンリコによると春に雨が降ってそのあと日差しが強くなったので例年よりも早く実になっている、とのこと。この地域の収穫は普段は9月初旬頃ですが、今年は8月中旬くらいになりそうです。
ぶどうの実がかなり密集していますが、あまり早く実を剪定してとってしまうと病気になるので、摘果は7月頃まで待つそうです。
畑は、思わず深呼吸したくなるほど清々しい草の香り。畑ではぶどうの木の根元の雑草は抜きますが、間の畝には様々な植物の種を撒いています。こうすることによって植物の根が土を耕してくれるのです。
ロヴェロ家では様々な品種のぶどうを作っていて、白はリースリング イタリコ、コルテーゼ、モスカート、そして一番多いのがソービニヨンブラン。赤はバルベーラを筆頭に、グリニョリーノ、ピノノワール、ネッビオーロ、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ブラケットがあります。
醸造所を見学すると、ステンレスタンクや大小の木樽などが並んでいます。このタンクはこのワイン、あの樽はあのワイン、ととてもわかりやすく並んでいます。
こちらのタンクは少し特殊で、発酵の際に出た炭酸ガスを逃さないための取っ手が付いています。このタンクがどのワイン用か、ロヴェロ家のワインファンの皆さまにはお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ロヴェロ家で作っている微発泡、ヴァルドナータ、マンドルロ、ブラケットはこのタンクで作っています。もちろんしゅわしゅわとした泡は発酵の際に自然に発生したものです。
次は蒸留所へ向かいました。ロヴェロ家ではマヴィで取り扱っているグラッパのほか、ブランデーやフルーツの蒸留酒、ベルモットやキナートなどのリキュールも造っています。
実はイタリアでは蒸留酒を作るための免許制度が厳しく、イタリア中で120軒、ピエモンテ州ではわずか20軒で、そのうちの1軒がロヴェロ家なのです。
ロヴェロ家こだわりは、モノセパージュ(単一品種)のグラッパです。これは1つのぶどう品種でグラッパを造ることで、なかなか珍しいそうですよ!
2台の蒸留器では、ロヴェロ家のものだけではなくほかのぶどう農家さんの蒸留も請け負います。これは先ほどもお伝えしたように、イタリアで蒸留器を持っているワイナリーがとても少ないからです。
蒸留器にはいたるところに青いタグがつけられており、これは蒸留酒の出荷後に国税庁が封印していくのだそうです
さて、カーヴの見学を終えた一行はマヴィで取り扱っていないベルモットやキナート(ハーブやスパイスで香味を付けており、もともとは気付け薬としても飲まれていたリキュールです)などを試飲しながらお土産を物色。
ワイン以外にも自家製のジャムやヘーゼルナッツペースト、季節の花のはちみつなどがあり、皆さん瓶詰の重さと格闘しながらお買い物を楽しんでいました。
これからアルプスをこえてフランスのローヌに向かいます。運転手さんもフランス人のクリスチャンさんにバトンタッチ!
旅はまだまだ始まったばかりです。
マヴィスタッフO
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